食中毒の症状や最近の種類

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食中毒 0157集団感染事件

病原大腸菌O157が注目されたのは、1990年埼玉県の保育園でおこった集団感染事件でした。このときは汚染した井戸水を使用した園児2名が死亡しています。これ以降ほぼ全国的に0157が確認されています。厚生省もO157による集団食中毒(0157を含む腸管出血性大腸菌による感染症)を伝染病予防法に基づく指定伝染病にすることを決定しました。

大腸菌とは

大腸菌は縦長の楕円形をした周囲に毛(べん毛・せん毛)を持つ細菌です。
一般に大腸菌は大腸の中に日常的にたくさん存在する細菌(常在菌)です。1万種以上といわれる大腸菌の大半は無害な菌ですが、その中には下痢や胃腸炎を引き起こす有害な大腸菌がいます。これが病原大腸菌です。この病原大腸菌の中でも赤痢なみといわれる強力な毒素を分泌するベロ毒素をだす大腸菌がありますが、この代表的ななものが0157なのです。 0157とは0抗原を持つ大腸菌のうち157番目のものという意味で、大腸菌の形式を表しています。

激しい腹痛と吐き気

下痢症状は激しい腹痛と吐き気・下痢からはじまります。0157は大腸や小腸などの腸管で繁殖しベロ毒素を放出。ベロ毒素は腸管の粘膜をただれさせますが、この際激しい痛みを感じます。大腸はただれて正常な水分の吸収ができなくなりますから、この水分が多量に便として放出されます。これが下痢です。
腸管粘膜のただれが進むとそこから出血するようになり、血便となります。それとともに大腸の機能がどんどん低下して脱水状態に陥ります。このようなときに、発熱・発汗がみられることもあります。

重症化すると尿毒症・脳症の危険

この時点で身体の抵抗力や抗生物質で0157を退治できれば、さほど重症になることはありません。しかし0157は感染力が大変強く、増殖してますますベロ毒素が放出されると重症化して腎臓がおかされ、尿が排出されず尿毒症(溶血性尿毒症症候群.HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に、また脳にベロ毒素が入り込むと脳症を併発します。 むくみやけいれん、意識障害、尿が出にくいなどの症状が出たら一刻も早く専門医のいる病院に行きましょう。
脳症で死亡するケースも多く、死亡しないまでも後遺症が残る場合もあります。

0157以外にもまだまだ

現在食中毒を起こす細菌としては6種類が厚生省によって指定されています。ここでは0157以外の食中毒原因細菌を見ていきましょう。

サルモネラ菌

サルモネラ菌属は牛、豚、犬などのほ乳類をはじめ多くの動物の体内に住みついている細菌です。人間がサルモネラに汚染された肉、乳製品、卵などを食べたときに食中毒をおこすことがあります。
汚染された食物を食べてから半日から2日後に発症。激しい下痢や腹痛・発熱がおこります。また子供の場合は敗血症や髄膜炎などの合併症をおこすこともあります。「最近注目されているのが卵からのサルモネラ食中毒です。サルモネラは低温と乾燥に強い菌で、卵の内部に生息しているため、生卵などが原因の食中毒の危険性が指摘されています。 卵、食肉類は十分に加熱して食べればまず安全といえそうです。またマヨネーズ、レアチーズケーキ、アイスクリームなどを家庭でつくる場合は十分な注意が必要です。

腸炎ビブリオ

かつては食中毒の原因菌としてトップだった菌が腸炎ビブリオです。海水中で繁殖するため、生の魚介類を食べて感染した例が多かったようです。特に海水温の上がる夏場が要注意。現在では魚介類も氷温輸送されて危険性は少なくなりましたが、まだまだ油断は禁物。調理後のまな板や包丁類も常に清潔を心がけましょう。生の魚は真水でよく洗うか、この菌に限っては酢でしめることも有効です。

ブドウ球菌

ブドウ球菌は健康な人の鼻や皮膚にも存在している日常的な細菌です。この細菌が腸に入ると毒素を放出、食物を食べて数時間後に発病します。この細菌は調理した人から入ります。料理をする場合はくしゃみ、だ液などに気をつけ、手・指などを常に清潔にしておきましょう。

ボツリヌス菌

ボツリヌス菌のついた食品を食べておこる食中毒は物が二重に見えたり、言葉がしゃべりにくくなったりする神経症状が大きな特徴です。重症になると呼吸困難から死亡する場合もあります。また吐き気はありますが下痢や腹痛を伴わないのも特徴です。潜伏期間はほとんどが半日から3日。熱に弱い菌ですが、真空状態でも十分繁殖します。真空パック食品でも決して安全ではありません。十分な加熱が必要です。